辛み同様ジワジワ人気拡大中!大山寺の「精進咖喱独活ん」が徹底している

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紅葉の季節が終わりに近づきつつも、まだ積雪には至っていない。
そんな人で大賑わいするわけでも、閑散として寂しいわけでもない、
落ち着いた、実にゆったりできる時期に大山寺の参道散策に出かけた。
逍遥の目的は、噂のグルメ「精進咖喱独活ん(しょうじんかりーうどん)」を味わうため。

・カレーうどんなのに精進料理?
・うどん、じゃなくて、独活ん?
・そもそも、なぜカレーうどん?

いくつも引っかかってしまうポイントを抱えたメニューの神髄に迫りたい。

大山寺参道の終点、「天狗茶屋」へ。

「精進咖喱独活ん」が食べられるのは、大山寺に向かう参道の終点左手にある「天狗茶屋」だ。この参道の突き当りは真っすぐ進むと大山寺、左に曲がると大神山神社へと続く石畳だが、まさにそのポールポジションともいえるところに位置している。

大山寺や大神山神社から見ると最寄りだが、逆に言うと駐車場からは最遠。参道の途中でたい焼きの匂いにつられてしまう危険性があるから注意したい(身をもって)。

※たい焼きなどの屋台は、紅葉シーズンや連休のみ出店
1_r50年以上、つまり半世紀にわたって営業しているとのことだが外観も内観も綺麗で、新しいお店だと思ってしまった。
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天狗茶屋
〒689-3318鳥取県西伯郡大山町大山14
TEL 0859-52-2006
FAX 0859-52-2474
営業時間 9:30~17:00(LO16:30)
休み 月・木、12/1~3/31
URL http://www.san-raku.jp/

広々した店内で見つけた、子連れの生命線。

木のぬくもりに満ちた店内は広々。最初はテーブル席に座っていたけど、小上がり席が空いたので移動。
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0歳児がいる家庭にとって、小上がり席や座敷席は外食ライフの生命線である。テーブル席の椅子だと落下の危険性がある。つまり、落ち着いて食べられない(結局そこ)。その点、こうした席があるのはとても安心。
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下の子も安心して居心地良さそうにしていた(ただ置かれただけの顔してるじゃんという突っ込みは自重で)。
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早速メニューを開く。
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爪を立てる勢いで大山寺の新名物との呼び声高い「精進咖喱独活ん」を注文する。セットドリンクの「冷やしあめ」が気になりながらも単品で。

大山寺エリアの新名物をいざ実食!

程なくして到着したのがこちら、「精進咖喱独活ん」(単品900円/ドリンクセット1050円)。
7_r「うどん」ではなく、「独活ん」である理由は、独活(うど)の葉や茎をうどんの中に練りこんでいるからだった。「独活のうどん」で「独活ん」だったわけだ。
独活はこれだけではなく、きんぴらとしても投入されている。具は他に、レンコンチップス、そして唐揚げ。ただし!この唐揚げ、あれ?普通のとは何か違う…。実はこれ唐揚げもどき。肉ではなく大豆ミートを使用している。そう、このカレーうどん、精進料理の要素が満載なのだ。油はもちろん植物性、ダシも植物性の精進ダシと何から何まで徹底している。

精進メニューなのにしっかり食べ応えがあって、本当に美味しい。辛さはあるがそれほどではなく、子どもでも食べることができるだろう。

いよいよ最後のお楽しみへ。
8_rなんと大山名物の大山おこわがレンゲの上にちょこんと鎮座ましましているのだ。これをスープの中に浸すと…
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プチカレーライスの完成。「カレーにしたらおこわの意味がないのでは?」と訝しがるなかれ。おこわのもっちり感も滋味深い味わいも残っていて絶品なのである。この2~3口という量も「炭水化物&炭水化物」の背徳感をぎりぎりで覚えない絶妙な量。脱帽しながら箸を、いや、レンゲを置いた。

12月からは食べられなくなる!?

実はこのメニュー、12月からは食べられなくなってしまう。というのは、天狗茶屋が12月から3月いっぱいまでクローズしているからなのだ。雪深い大山寺エリアのこと。これは致し方ないことである…。ただし、12月から3月の間にいただける裏技が存在する。

それは、天狗茶屋から参道を下ることすぐの「宿坊山楽荘」に行くこと。ちなみに、宿坊とは寺の宿泊施設でかつては僧侶や参拝者のための場所だったが、今では観光客も受け入れている施設のこと。
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実は天狗茶屋と山楽荘は母体が同じ。そのため、前日までに予約をすれば、精進咖喱独活んを山楽荘で食べることができるのだとか。
ところでなぜ、カレーうどんなのだろう?という疑問もあったので後日、山楽荘にお邪魔してみることに。

素敵空間でご夫妻にメニューの神髄を聞く。

応対いただいたのは、清水豪賢住職と清水律子女将。
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―精進咖喱独活ん、美味しかったです!ところでなぜ、カレーうどんなのですか?

住職:この大山寺周辺には、山の恵みを活かした山菜精進料理というものがあります。山菜が採れる時期に山に入って、採ったものを丁寧に保存し、一年中大切に利用する文化が脈々と受け継がれてきました。ただ、「精進料理」と聞くとどうしても敷居が高いと感じてしまう人もいます。私たちは精進料理ってそんなに堅苦しいものではないんだよ、ということを伝えるためカレーうどんというカジュアルなメニューを選びました。鳥取はカレーの消費量が多い県ですしね。大山おこわをつかった精進ライスバーガー「大山寺バーガー」も同じです。ハンバーガーという形で手軽に精進料理に触れて欲しいという思いから作りました。
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―そうなんですね!実際に食べた方からはどんな声が聞かれますか?

女将:精進料理なのであっさりしていると思われがちなのですが、「意外とパンチがあるね」という声をよくいただきます。「想像よりしっかり味がする」と。おまけのおこわも「いいアイディアを思いついたね」とおっしゃっていただいています。

―忙しいなか、ありがとうございました!

おしまいに

ものすごいこだわりが詰まりつつもシンプルに美味しい精進咖喱独活ん。冬になったら食べられないなんて残念!と思っていたけど、近くの宿坊でも食べられると知ってひと安心した。
それにしても、お邪魔した山楽荘がとても美しく、手入れの行き届いた空間で感動。大山町民で何度も参道に行ったことがあるものの、こんな素敵な空間が近くにあるなんて知らなかった。

天狗茶屋が開く春まで待ちきれない!という人はぜひ予約の上、山楽荘で精進咖喱独活んを。雪の大山寺も美しいそうなので、ぜひ泊まりがけで訪れてみてはいかが。

矢野 竜広

矢野 竜広

投稿者プロフィール

1980年生まれ。東京都出身、妻の故郷である鳥取県に移住したライター、ビアエッセイスト。自宅にビールサーバー&ビアバー風の秘密基地あり。 立教大学を卒業後、広告制作会社勤務のコピーライター、事務所所属の構成作家を経てフリーランスに。愛してやまないビールを、飲むだけではなく学びたい!と数々の講座を受講。ビアバー巡りにも勤しむ。そんな大のビール好きが高じて、『ビールの図鑑』(マイナビ、2013)、『日本のクラフトビール図鑑』(マイナビ、2015)の執筆に携わり、地ビール会社にも勤務。NHK文化センター(鳥取教室、米子教室)でビール講座の講師を務める。その他著書に、詩集『そこに日常があった。』(文芸社、2002)、『・ツナ缶×1』(Kindle版、2014)。趣味は一人旅、ノンフィクションの書籍を読むこと、ドキュメンタリー鑑賞。

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