


こんにちは。
「山楽荘で20年に一度のコケオトシをやったらしいから、取材に行ってみなよ」同僚からの一言を聞いて「コケ…おどし?」となったフジワラです。よくよく聞いてみると、もちろん「虚仮威し」ではなく、「苔落とし」。苔がついて枯れ葉や根っこなどが溜まり、もっさりしてしまった斜面の苔や枯れ葉をごっそり剥がす。という作業だそうです。
山楽荘とは
大山寺エリアに唯一残る宿坊。観證院の住職が営む宿だけあって、写経や座禅の体験もでき、料理はすべて精進料理です。大山寺山門の門前にあり、とても静かで穏やかな時間が流れています。筆者はここに行くと、一歩後ろに下がれる、というか、心が一段階落ち着きます。
階段をのぼっていくと
古き良き佇まいがあります。
歴史ある「八人瀧」
そんな山楽荘の一室から目前に見えるのが、「八人瀧」。水は流れていないのですが、以前は岩肌を八又に水が流れていたからその名が付いたとか。観證院ができた時代の古地図にも掲載されているという、歴史ある瀧で、今でも水の筋が残っているそうです。
「岩肌に苔が生えるでしょ、その苔の間に植物の種が入って根をはる。そうすると泥のようになってしまうので、定期的に苔落としをしているんです」と住職の清水豪賢さん。
苔落としの方法
まず、苔の部分に切り込みを入れ、草木ごとまるごと剥がします。それをゴロゴロ…とロールケーキのように剥いでいきます。
もっさりとした岩壁が
何ということでしょう!
なんか聞いてる限りは楽しそう…と思ってしまいますが、実際やるとなると根深い草木や岩のデコボコで、スムーズにロールはできないそう。しかも斜面に登っておこなうので、かなりの重労働です。
よく見ると、上の方に切り込みを入れたあとがありました!
2016年の苔落とし
前回の苔落としは、豪賢さんが20代後半のころだったそう。そして、今年の苔落としの主力は、そのころまだ生まれていなかった18歳のご長男。
時の流れを感じます。
おちゃめ。
20年経つと、苔も蓄積されれば、若者も育つ。20年前、何をしていたっけ…はたまた、20年後、何をしているのか…
ライトアップされた「八人瀧」の魅力
瀧のふもとには、水がたたえられています。幻想的で、神秘的で、時を忘れてずーっと見ていられます。
「この角度からが一番キレイなんだよ」と清水住職。
また、雨の日にはちょっとしたお楽しみが。
庇から垂れる水滴がライトに反射して、とってもキレイなんです。
光の糸と、しっとり濡れた岩肌が、なんとも艶やか。(上の方の白い線が雨だれです。うまく写っていなくて申し訳ありません、現実は次から次への光が舞って、もっときれいです!)
どうすれば見られるの?
お食事部屋からの眺めなので、基本的には宿泊・お食事を利用される方のみ楽しめる風景なのですが、空いている時はご利用の方以外も鑑賞できるとのこと。まずは一度、山楽荘さんへお問合せ下さい。
お昼もきれいですよー!
20年の歴史と、ゆっくり流れる時間を感じにぜひ、どうぞ。
宿坊・観証院 山楽荘
〒689-3318 鳥取県西伯郡大山町大山14
TEL 0859-52-2006
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