【BIKAI】全席オーシャンビューでボリューム満点Xmasランチ

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いよいよクリスマスである。
カフェではクリスマスソングのBGMが流れ、街路樹は美しくイルミネーションされ、ショップの店頭ではギフトアイテムが並び、街を歩く若いカップルもどこか浮足立っている…なんて風景は都会、せいぜい「街」でしか見ることができない!こちとら「町」に住んでいるとクリスマスを一切感じない。だが、大山町内にもクリスマスを楽しめる場所があるというので夫婦&下の子と一緒に出かけてみた。

全席から海が見える山陰屈指の名店「BIKAI」。

訪れたのは、大山町の名和にあるカフェレストラン「BIKAI」。国道9号線沿いにあるので、外観を目にしたことがある人も多いかもしれない。
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正直、外観は決してオシャレとはいえず、むしろ「ちょっとオシャレな工務店?」といった趣なのだが、中に入ってびっくり。ものすごくオシャレなのである。
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目の前には雄大な日本海が広がり、存分に海景色を眺めることができる。オーナーさんに聞いたところ、「BIKAIという店名はもちろん、美海から来ています。素敵な海を皆さんに楽しんでいただきたいという願いから、全席から海が見えるように設計しています」とのこと。オープンは2008年の春。以来、町内どころか山陰屈指の名店として、地元の人々やドライブ好き、デートを楽しむカップル達に愛されている。2015年にはジェラート屋の「GAGA BIKAI店」も併設された。

BIKAI
住所 鳥取県西伯郡大山町富長159-1
TEL 0859-54-2665
営業時間 11:00~22:00
休み 水曜、第2または第3火曜日


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12月は限定のクリスマスランチが登場。

こちらでは地産地消にこだわったランチが食べられるのだが、12月はクリスマスランチをいただくことができる。以前はディナーでクリスマスメニューを出していたそうだが、2年前からはリーズナブルなランチで提供している。価格は税込2500円で2名より。今年は12月9日(金)~25日(日)まで楽しめるそうだ。

というわけで、クリスマスソングがBGMで流れるなかドリンクをチョイス。メニューのセットドリンクの中から選ぶことができる。
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食後のデザート時のコーヒーという選択肢もよぎったけれど、ここはクリスマス感を高めて華やかにするためにクランベリージュースをオーダー。
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深紅のクランベリージュースが運ばれ、テーブルの上はクリスマス感が高まっ…いや、OLのランチ感が高まっただけかもしれないが、いずれにしても華やいだ。お味もキリッと美味。コースは前菜からスタートだ。

メインへの期待を高める前菜&スープ。

いきなり手の込んだ前菜が卓上に。
カルパッチョはホタテ、エビ、タコ、イカを使用。オリーブオイルの味付けが素材の味を損なうことなく、むしろ引き立てている。ハムの上にあるのは何だろう?と訝しげに口に運ぶと…リンゴだった。ハムとの相性もよく、前菜でこってりしないようにという配慮が感じられた。キッシュに使われているのは大山町産のブロッコリー。素朴な味わいで優しい気持ちになれる。生地はサクサクなので食感が楽しめるのもいい。メインへの期待を高めてくれる前菜だった。
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スープはミネストローネ。一見何の変哲もないけれど、スプーンですくってみると意外にも具だくさんであることに気付く。豆がたくさん入っており、スープ自体もとがった酸味のないまろやかな味わいだった。
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ふと気づくと、5カ月の下の子も眼前に広がる海を見やり、物思いにふけっていた…(この親馬鹿なくだりは記事に不要だったかもしれない…)。
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ピザとパスタはどちらもボリューム満点。

続いてピザが登場。写真では伝わりにくいがこのマルゲリータ、結構大きい。特筆すべきはトマト。比較的厚めに切られており、ジューシーこの上ない。味は甘めで妻は「フルーツみたい」と形容していた。チーズとトマトにもボリュームがあるけど生地は薄めなのでペロリと食べられる。生地から漂う炭の香ばしさとフレッシュなバジルがいいアクセントになっていた。
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メインはパスタ。「大山ハーブチキンと色々キノコのポルチーニクリームパスタ」か「手長海老とボッタルガトマトソースパスタ」のいずれかを選べる。
クリームパスタは濃厚な一品。都内のお高くとまったイタリアンだったら、妙に中央がくぼんだ皿でちょろっとしか出されない類のパスタだ。だが、BIKAIはここでもボリューム感あり。大山鶏のプリッとした食感とポルチーニのシャキっとした食感を同時に堪能。ポルチーニの上品な香りが強く、味も香りも濃厚と感じた。
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一方、こちらのトマトソースパスタは割とあっさり、というか優しい穏やかな味付けとなっている。注目は手長エビ。大きめのエビが贅沢に2尾盛り付けられている。BIKAIではこのクリスマスランチでしか食べられない食材だそう。引き締まった身は噛むほどに味わい深い。
全く個性の異なる2皿だけに、やはり1皿ずつ頼んでシェアしていただきたいところだ。
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コンセプトは「あの夏、あの海」。

おしまいのスペシャルデザートもボリュームあり。3種のフルーツ、濃厚な味わいのティラミス、ラムレーズンのジェラート、滑らかな口当たりのパンナコッタが一皿に。
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たぶんデザートに入る前にほとんどの人が満腹になっていると思うけど、全部入ってしまうから不思議。満足の駄目押しでしばらくボーっとしたくなるはずなので、その際はそう、海をしばし眺めたい。
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この日はかなり寒かったにもかかわらずサーファー達が大挙して押し寄せていた。食のビッグウェーブに乗った高揚感とともにクリスマスランチは幕を閉じた。

ちなみに、BIKAIのコンセプトは「あの夏、あの海」。誰もが胸にしまっている、海を舞台にした素敵な思い出。記憶から取り出すだけで胸の鼓動が高まるような時間を、ここでも過ごして欲しいという密かな願いが込められていた。季節は冬だが、大切な人と訪れて「あの冬、海を眺めてクリスマスランチをしたね」といつか振り返れるような時間。そんな温かなひとときがきっとここで過ごせると僕は思う。

矢野 竜広

矢野 竜広

投稿者プロフィール

1980年生まれ。東京都出身、妻の故郷である鳥取県に移住したライター、ビアエッセイスト。自宅にビールサーバー&ビアバー風の秘密基地あり。 立教大学を卒業後、広告制作会社勤務のコピーライター、事務所所属の構成作家を経てフリーランスに。愛してやまないビールを、飲むだけではなく学びたい!と数々の講座を受講。ビアバー巡りにも勤しむ。そんな大のビール好きが高じて、『ビールの図鑑』(マイナビ、2013)、『日本のクラフトビール図鑑』(マイナビ、2015)の執筆に携わり、地ビール会社にも勤務。NHK文化センター(鳥取教室、米子教室)でビール講座の講師を務める。その他著書に、詩集『そこに日常があった。』(文芸社、2002)、『・ツナ缶×1』(Kindle版、2014)。趣味は一人旅、ノンフィクションの書籍を読むこと、ドキュメンタリー鑑賞。

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